池澤夏樹=個人編集 世界文学全集【全30巻】(本の紹介)

占星術で使用するホロスコープを見ると、時代の変化や、今どのような波が来ているのか、ということを象徴的な概念を通して認識することができます。そのように日々ホロスコープを読む中で、今現在やこれからの変化の質を知り、何が必要なのかを探っていますが、ここでは、そのような変化に対応する上で役に立つような本を紹介していきます。

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【池澤夏樹=個人編集 世界文学全集【全30巻】/河出書房新社】

前のブログの記事「『世界文学を読みほどく スタンダールからピンチョンまで』池澤夏樹(本の紹介)」で池澤さんの本を紹介しましたが、この本の後に池澤さんが個人編集して出版された世界文学全集全30巻の中から選んで読むのもおすすめです。
この全集は第二次世界大戦以降に書かれた世界文学で構成されており、「今の時代、今の世界を読み解く。何千年も前からずっと生きてきた人間がいまの時代にぶつかったときに何を考えるのか。そういうことを考えるためのもの」という基本方針で選ばれいます。ポストコロニアリズムやフェミニズムの視点、移民、難民、移住者など移動する作家の作品などが取り揃えられ、読む者にさまざまな視座を与えてくれます。

この全集について池澤さんが話されているものとして、『池澤夏樹、文学全集を編む』(河出書房新社/2017.9.30初版)のロングインタビューから少し紹介します。

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(聞き手:山本貴光)現代はバベルの塔の時代というか、お互いに話が通じにくくなっている印象があります。半分はネットによって従来は互いに知りようもなかった人々の多様な意見が目に入るようになったためかもしれません。それにしても、他人の世界の見方を許容せずに争うということが、どうも目につきます。

(池澤)凝縮力がなくなって、エレメントが散開的になっている。 何も同心円状になる必要はないけれど、こんなにばらばらになっていると、断片ごとの間の交通がなくなりますね。

(山本)その交通をどう取り戻すか。ひょっとしたら、今の情報環境の中で、どうやって共通認識を作り直すかということが重要な課題になるかもしれません。

(池澤)だから文学は役に立つ。「では何ですか」と言われたら、「こんなものだ」と帰納的に見せる。 これは理屈を言っても仕方がなくて、だから実物で示す以外しようがなかった。それがこの全集なんです。

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現在の「バベルの塔」の時代のような、ばらばらの状態から、より大きな範囲のものとしてつながりを取り戻す一つのツールとしても、世界文学を読む、ということの持つ大きな意義がありそうです。

『世界文学を読みほどく スタンダールからピンチョンまで』池澤夏樹(本の紹介)

占星術で使用するホロスコープを見ると、時代の変化や、今どのような波が来ているのか、ということを象徴的な概念を通して認識することができます。そのように日々ホロスコープを読む中で、今現在やこれからの変化の質を知り、何が必要なのかを探っていますが、ここでは、そのような変化に対応する上で役に立つような本を紹介していきます。

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【『世界文学を読みほどく スタンダールからピンチョンまで』池澤夏樹/新潮社/2005.1.15初版(2017.3.24増補新版発行)】

さまざまな文学賞を受賞した小説家であり、詩や翻訳、評論なども執筆し、世界を辺境から見つめる旅人でもある池澤夏樹さん。本書は、彼が2003年9月に京都大学文学部で行った、一週間の夏期特殊講義の講義録です。
池澤さんが選んだ19世紀前半から20世紀後半までの10作の世界文学を通して、それぞれの時代の世界観を捉えなおすと共に、現代の世界はどのような変化の中に存在しているのかに関してたくさんのヒントをもらうことのできる本です。また紹介された世界的に著名な10作品を読みやすくしてくれる、分かりやすい導入にもなっています。

先日、天王星が牡羊座から牡牛座に移動したという記事を書きました(記事:「2018年5月16日 天王星が牡牛座に移動」)。この記事の中で、ローカルなものや自身の場というものを、より広げる変化が必要になってくる、ということに触れました。その一つとして、自身の視座を世界に広げていくということも大切になります。
日々の生活の繰り返しの中で、自身を新たに外に向けて広げるような変化を起こすことは容易ではありません。しかし自身の内側から何かを強く感じ取る経験をすることで、内面的な認識を広げ、自分を世界に開くための変化も可能となってきます。
そのように遠くの状況をより自身の内側の視点で受け入れ、自身を世界に開いていくツールとして小説は適しています。そのような世界文学への導入として、本書はとてもいい案内書となってくれます。